建設業×IT化の最新トレンド:知っておきたい2つの革新技術

1. 建設業におけるIT化の重要性と背景

建設業界は、労働力不足や高齢化に伴い、安全性や生産性の低下などの深刻な課題に直面しています。このような状況下で、業務の効率化や安全性の向上を目的とし、近年特に注目されているのがIT化です。
建設業における情報の一元化や危険が伴う作業の自動化は、安全性や生産性を向上させるだけでなく、コスト削減にも繋がります。
IT技術の導入なくして、上記の課題を解決することはもはや不可能と言っても過言ではありません。

2. 建設業×IT化で注目される2つの革新技術

建設業界から注目されている革新技術の代表が以下の2つです。

  • BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)
  • IoT(インターネット・オブ・シングス)

BIM(ビム)とは、3D空間に現実と同じ建物を作り、企画から設計、施工、そして管理に至るまでの情報を一元化できる手法を指します。CADに変わるツールとして導入する企業が増えており、CADとの大きな違いとして挙げられるのが、一つ一つの模型自身が情報を持っていることです。このことにより、資材の幅や奥行きに加え、メーカーや価格など詳細な情報を資材ごとに付加することができます。
IoT(アイオーティー)とは、インターネットに繋がっていなかったものをネットに接続してデータ収集や情報処理を行う技術のことで、建築業での「もの」とは重機・資材・カメラ・ヘルメットなどを指します。

3. 建設業のIT化がもたらす主なメリット

BIMを導入することで、企画から管理まで全ての情報を連動することができ、建築に関わる一連の流れを劇的に改善します。建設業界では、設計が完成した後の見直しや変更に伴って予算や工程が急に変わることがあります。このような修正をBIMで行うと、関係する全てのデータが自動で修復されるため、手戻りの時間や手間を大幅に削減できます。
また、建設業におけるIoTの促進にも多くのメリットがあり、中でも安全性の向上が見込まれることが最大の特長です。例えば、現場の従業員のウェアラブル端末を通して健康状態を確認したり、Webカメラを使い、リアルタイムな現場の状況を把握することで、事故の危険性を察知し注意喚起を促すこともできます。危険を伴う業務をドローンや作業ロボットに任せられることも、安全対策に繋がるでしょう。

4. 導入のハードル

メリットの大きいIT化には、導入に至るまでに課題もあります。

とりわけBIMを活用するには人材教育が欠かせません。CADとはオペレーションが異なるため、使用者の育成をセットで行う必要があり、設計者の言葉をくみ取って形に起こせるスキルも求められます。