建設DXの鍵！BIM/CIMを活用して業務効率化する方法とは？
1. 建設業におけるBIM/CIMとは？
近年、建設業界ではデジタル技術の活用が求められています。その中でも注目されているのが、BIM（Building Information Modeling）とCIM（Construction Information Modeling）です。BIMは建築物の設計・施工・維持管理に関わる情報を3Dモデルで一元管理する手法であり、CIMはインフラ分野での情報管理を指します。従来の2D図面に比べ、情報の共有や設計の精度向上に大きく貢献します。
BIM/CIMを導入することで、施工の効率化やコスト削減、設計ミスの防止など、多くのメリットが得られます。本記事では、その活用方法と導入手順について詳しく解説します。
2. BIM/CIMの活用方法
(1) 設計段階での活用
BIMを活用することで、建築物の設計段階から詳細な3Dモデルを作成できます。これにより、以下のような利点があります。
- 設計の可視化：関係者全員が直感的に設計を理解できる
- 設計ミスの削減：従来の2D図面では見落としがちな干渉部分を事前に検出可能
- 設計変更の効率化：変更点を即座にモデルへ反映し、調整作業をスムーズに行える
(2) 施工段階での活用
BIM/CIMは施工現場でも大きな効果を発揮します。
- 施工スケジュールの最適化：工程ごとの進捗を3Dモデルで可視化し、工期の短縮が可能
- コスト管理の精度向上：資材の数量を正確に算出し、無駄なコストを削減
- 現場の安全管理：シミュレーションを活用し、危険箇所を事前に把握
(3) 維持管理段階での活用
BIM/CIMは施工後の維持管理にも有効です。
- 設備の管理が容易：配管や電気設備の配置を3Dデータで確認可能。
- 修繕計画の最適化：劣化予測をデータ化し、計画的なメンテナンスを実施。
- 長期的なコスト削減：適切な保守計画により、突発的な修繕コストを抑えられる。
3. BIM/CIMの導入手順
(1) 目的の明確化
まず、BIM/CIMを導入する目的を明確にすることが重要です。設計の効率化を目的とするのか、施工管理の改善を狙うのかによって、必要なツールや導入プロセスが異なります。
(2) 適切なソフトウェアの選定
BIM/CIMを導入するには、適切なソフトウェアを選ぶ必要があります。代表的なツールとして以下のものがあります。
- Revit（オートデスク）：建築設計に強みを持つ
- Archicad（グラフィソフト）：BIMソフトの先駆けとして広く利用
- Civil 3D（オートデスク）：インフラプロジェクト向け
(3) 社内の教育と体制構築
BIM/CIMを活用するには、社内での教育が欠かせません。専門的な知識を持つ技術者を育成するための研修や、外部の専門家を招いたワークショップを開催するとよいでしょう。また、実際の業務フローにBIM/CIMを組み込むための運用ルールを策定することも重要です。
(4) 試験的な導入
いきなり全社導入するのではなく、まずは小規模プロジェクトで試験導入を行い、実際の効果を検証しましょう。その結果をもとに、運用フローを最適化しながら本格導入を進めるのが理想的です。
(5) データの標準化と活用
BIM/CIMのデータは、他のシステムとの連携や長期的な活用を考慮し、標準フォーマットに統一することが大切です。例えば、国際標準規格であるIFC（Industry Foundation Classes）を採用することで、異なるソフトウェア間でのデータ共有が容易になります。
BIM/CIMの活用により、建設業のDXは大きく進展します。設計の精度向上、施工管理の効率化、維持管理の最適化といったメリットを最大限に活かすために、適切な導入プロセスを踏むことが重要です。今後、建設業界でのBIM/CIMの普及が進む中、競争力を維持するためにも、早めの導入を検討しましょう。
